それでは、個人の問題として、声を強化したり変えるには、どうしたらよいでしょう。
たとえば、「黒人は足が早い」という現実を目にして、彼らに勝ちたいと思ったら、何をしますか。
欧米人が考えるのは、まず「ルールを(自分に有利に)変える」、次に「本番の場を変える」。スポーツでは日本人選手も、これでハンディを負わされ、潰されてきました。ビジネスでは、もっと悪条件を与えられました。しかし、そのことで、相手よりも努力して優れていったのです。
さらに「ヘッドハンティング」があります。これはプロデューサーの仕事です。たとえば、海外から優れたものを持ってくるだけでも、日本でヒットさせられるのです。
最後にようやく、彼らを分析して、それと同じように育てようとなります。
一流の人と自分を書き出し、比較し、分析してください。
研究所では、現場での習慣と環境を与えようとしました。ピアニストなら、音源と楽譜とピアノ、バレリーナならDVDとスタジオ。私のところでは音源とスタジオとなるでしょうか。防音スタジオも環境の一つです。優れた人のデータを入手し、体や感覚のギャップを補うメニュを与えます。
人生や仕事での成功の秘訣は、時間をかけて組み立てることです。私は、成功ということばを使うときは、用心しています。
要領よく、てっとり早くやりたいということに焦点を合わせていると、最終的にはそうなりません。具体的なようで、実のところ、あいまいだからです。優れた人になるために、優れた人とのギャップをみて、具体的に埋めることです。