レベルⅢでは、世界レベルで、人間としての共通のベースです。そこで声を掘り下げ、深めていくのです。結果としてみるだけでなく、最初からプロセスを、意図的にトレーニングするということです。これが私のブレスヴォイストレーニングの主旨です。
素質に恵まれた人はⅡでも充分かもしれません。それを超えたければやりましょう。もっと恵まれた人はレベルⅠで楽しくやるのでもかまいません。目標レベルを最高にあげてやるためのニーズにⅢは応えます。起死回生でここからやるという人にはよいでしょう。
一流なら、表現も時代、国を越え、普遍的に通じていくものになります。基礎というのも人間の体を掘り下げたら、時代、国(人種)を越え、共通になります。上を表現、下を基本として、その枠をⅠは上下にレベル1メートル、レベルⅡは10メートル、レベルⅢは100メートルにとっているようなものです。
ブレスヴォイストレーニングが独創的で、すごいといっているわけではないのです。リズムでいうと、Ⅰは楽譜で学び、Ⅱはフィーリングで踊りながら振付の中で学び、レベルⅢはアフリカやラテンの国で生まれて育ったら身についた―ということに掘り下げるようなものです。つまり「日常性の最大化」ということです。方法やメニュで問うているのではないのです。
スポーツで例えると、バッターなら、
レベルⅠは、ワンポイントアドバイス、すぐにできるくらいのフォーム修正。
レベルⅡは、バッティングマシーンでのジャストミートでのトレーニング。
レベルⅢは、重いバットを振るとかランニングや筋トレから行うことにあたるでしょうか。
これは、ステージ、舞台での、非日常を日常にすることです。その人にとって、注意としてのレッスンか、トレーニングをチェックするレッスンか、日常をトレーニングに取り込むかの違いです。