声を決める要因があります。ここでは、声を出す体は楽器であるとして、体を中心にみていきます。それぞれに組み合わさっているので、声を決める要因、これで全て決まるわけではありません。
- 身長、体重、胸郭、頭部―頭蓋骨、
首の長さ、太さ―喉頭の大きさ、声帯(筋)、
輸状甲状筋、輸状被裂筋
- 表情筋、呼吸に関する筋肉
3.それらの使い方
以前から、身長の高い人、首回りの太い人は低い声、という説がありました。男女の喉頭(のど仏)の違いで、声帯の長さの差が出て、ほぼ1オクターブの差となります。体格による声の違いも無視できません。大男でハイトーンの名人もいれば、小さい女性でヘヴィな声を出す人もいるので、断定することはできません。
育ちでの発達の違いや、言語や文化圏の違いもあります。発声には本人の性格や、気質、心情、感情、表現の方向性まで、複雑にからみあっています。
他人の持つものに憧れても、自分の持つものを伸ばしなさい。そのために他人を知る、他人に学ぶことです。しかし他人のまねが目的になると違ってきます。相手が優れているほどに、早く自分の限界が来るのです。あなたの見本、憧れる声がトレーナーの声と似ている場合のメリット、デメリットは省きます。
一流のアーティストでも、あまりまねない方がよいタイプもいます。人間離れした喉を持つ人も多いだけに、そこは、よく考えないとなりません。サッチモ(ルイ・アームストロング)など、白人がまねをしても壊したアーティストは、日本人に勧めるわけにはいきません。この研究所へもヘヴィな声やハスキーな声、たとえば、ロック以外にフラメンコなどを求めにくる人もいますが、まねから入るのは禁物です。