私のトレーニングには、上半身を90度、腰から屈伸させ、床に背中が平行になるようにして「ハイ」を出すことがあります。前腹を押さえる(前腹が圧迫される)ので、横や背の筋肉が使われやすく、横隔膜呼吸の拡大を意図します。もう一つの理由は、下半身を固定して、上半身だけのコントロールをしやすくするためです。ひざは緩めてかまいません。
入り口では、話声域、胸声をメインにしています。ここはすでに、私たちが持っている声ですが、使いきれていません。これは、出しやすい中音域の発声が完成に至りにくいのと似ています。生じ使えてしまっているからできていないのです。
ベテラン役者の中には、この地声を自然に高い完成レベルで使えている人が結構います。大きく怒鳴れるのです。海外の人の声を聞いてください。胸の響きで話せる人が多いから、声がひびきます。響くというと、振動するイメージとなりかねないので、「通る声」を出す、ありきたりの言い方では、「腹から声が出る」ということです。