ヴォイストレーナーの選び方[アーカイブ版]

声、発声、聞くこと、ヴォイストレーニングに関心のある人に  バックナンバーは「夢実現・目的達成のための考え方と心身のトレーニング」をご覧ください http://bvt.txt-nifty.com/trainersen/

基本の基本「ハイ」

 基本の一声として、「アー」でも「ヤッホー」でもいいですが、私は「ハイ」をよく使います。「ハ、イ」という、元気のよい明快な声ではなく、「Hai」と体からストレートに出てくる声です。Hは声帯音で、発声に障害のある人が、最初のきっかけにとる音でもあります。「ハイ」は、人間関係の基本でもあります。相手に反応して「ハイ」と返してコミュニケーションしていくでしょう。ビジネスマンの研修では、この理由を、もっともらしく後づけしています。

 

 最初は「ハッ」を使いました。お祭りや掛け声からのヒントでしたが、喉に負担を強いるので、「イ」をaiの二重母音のような感覚でつけました。だから、日本語の「イ」のように口を横にひっぱっらないのです。響きが、鼻の辺りに残るようなのがよいです。ことば、発音でなく声(音)の練習です。ことばの「ハイ」の明瞭さでなく、声がよく聞こえる方がいいのです。

 これは、最初は日本人に苦手な深い声、胸声の強化として、低めで、「太く、強く、大きく」としていました。発声というと、すぐに頭や鼻に響かすのが練習というのは、声楽から来た慣習のようです。

 日本人は元々鼻にはかかりやすい声をしているのです。日本語はフランス語ほどではありませんが、鼻音、鼻濁音もよく使います。戦前戦後、1950年代くらいまでの歌手をみるとよくわかります。小柄な日本人にとって頭での共鳴は民謡など邦楽でも、大いに使われていたのです。

 そして、「Hi」は最初、スタッカートのように、伸ばさないで切っていたので、一瞬の声(今でポジション、声の芯をとる発声、それをぶつけすぎから)でした。そこから共鳴につなげられない人が多く、歌とつなげるため、レガートのように「ラ、ラー」とつけました。「ハイ、ラ、ラー」と3ステップにしたのです。つまり、声の線をとるトレーニングです。

 よく考えれば、「ハイ」のところで「イ」の響きを頭声にもってくれば、すむわけです。こうして相反する要素を1つの声の中で包括して、器を大きくする基本メニュにしました。

 これは、セリフで原詞を読み、1オクターブ上で歌って、カンツォーネの大曲などでフレーズから、声を育てていた即興的な方法にはついていけない人へのアプローチとして有効です。150キロのボールを振り切って当たらないなら、まぐれ当たりでホームランを打てる人を除いては、空振りする間に、バントからミートしていきましょうということです。