コミュニケーションとは、見知らぬ人、育ちや考えの違う人への説得ツール=言語となります。自分の考えを意識化して、言語化して伝えなくてはいけないから、言語=論理になるのです。
ステージも、この個と説得する相手としての客の対立図式です。通りで箱の上に乗って、通りゆく人に呼びかけて、その人の足を止め、そこで聞かせ続ける大道芸人型です。
それに対して、日本では、歌は内輪のもの、宴会芸です。カラオケも前者から発展した後、この形に落ち着いたわけです。客=ファン=身内=場なのです。客は、従順で安心、安定した存在ですから身近なMC中心がよいのです。「勝負」でなく「共感」の場なのです。お互いに気遣い、よい感じに終わらせます。日本では、不調でキャンセルするアーティストはとても少ないです。「熱が出ていますが」でも出るのが、レベルが落ちても支持が得られるのです。いわゆる「甘えの構造」です。