歌も、ほとんどが円熟とか成熟という名のもとに汚れ、新鮮なものでなくなっていきます。昔のように、全盛期をすぎ、老いてナツメロ歌手になる頃ならよいのですが、日本ではそれが早く、昔であれば40代、早ければ30代後半で退化していたように思うのですが、今やデビューから2、3枚目のアルバムでそうなってしまうのです。
一つには客の耳がゆるく育っていないことがあります。カラオケで歌いなれた客は、他人の歌を聴く耳がおろそかになっています。☆
俳優や歌手も、ステップアップして大舞台に立つ人は、表現から、反省を強いられるうちはよくなっていきます。他のアートや海外と違い、その表現が、基礎のオリジナリティの延長にないことが、日本の場合、大問題です。
トレーナーになる人は、表現からも基礎からも厳しい追及を受けないところで自分より実力や経験のない人ばかりと接するので、マニュアル先行で直感が磨かれず、先にやってきただけの先生になってしまいがちです。