人類は、文字を発明するまで口承で伝えてきました。文字ができてから長らく写され広められました。絵が絵文字、そして文字になったプロセスは、今のアナログからデジタルに変わる以上の大転換といえます。時間、論理が入ってきたからです。そこで未来を考え、不安や恐れを抱くようになったからです。
活版印刷の発明で16世紀から本の時代となりました。20世紀初めには画は写真に、音声はレコードに記録、保存できるようになりました。さらに動画として映画、フィルム(サイレントからトーキー)になり、ラジオやテレビで視聴できるようになりました。
デジタル化とは、大量のデータを統一して(0と1の組み合わせで)圧縮、コンパクトに保存し、瞬時に伝達できること、および検索できることです。これは文字だけでなく、音声、動画をも同じデータ(0と1)として容易に扱えるようにしました。コミュニケーション(発信、伝達、受信)のコストを徹底して下げたのです。
情報を発信する一方のマスメディアが、今世紀になり、インターネットの発達で、手紙、電話といったプライベートな交流が一気に高まりました。1990年代にマルチメディアということばで見通されていたことです。世界の距離や時間の感覚は、この10年で大きく変わりました。全てがスマートフォンに集約されつつあります。
この問題を扱うのは、20年ぶりですが、文字で伝えることのもつ意味を確認しています。