研究所の当初の目的の一つは、100人に1人のアーティストと99人の耳のよい客をつくることでした。これを20年くり返してスターが20人出たら、日本はおろか、世界も変えられるのです。私でなくアーティストたちによって変わるのです。
オペラの養成所として莫大な支援を受けている音大は、何万人とアーティストの卵を送り出しています。しかし、そこでの発声の基礎は、明らかに技術、歌唱に急ぎすぎているのです。なぜ、お笑い芸人の方が声が強いのかを考えることです。
生活のなかに取り入れて、非日常をリアルに現実にしていく、この点では、芸人の方がしっかりしています。ちゃんとしているというのは、ちゃんとしていないアウトローのようで、はちゃめちゃにみえてもちゃんとしているのです。
MC(司会者)はおろか、歌手、役者、声優、ナレーターまでも、お笑い芸人にとってかわられているのが、その証拠です。