多くの先生は、「私はそれですぐれたから正しい。だから、それを教える」という立場です。「他の人は間違っているが私だけは正しい」という井の中の蛙で、私は少々困っています。その色を強くつけて、ここにいらっしゃる人も少なくないからです。そういう先生は、私たちには生徒よりやっかいなのです。
神のように崇められている達人や世界に名を馳せたオペラ歌手でさえ、他人の指導において多くの誤りを犯しているのです。「私はそれですぐれた」が、「どうすぐれた」というのでしょう。
他の分野ではわかっていることさえ、歌や声の分野では、未開拓で未熟なものです。まして、個の将来性です。ヴォイトレは、試行錯誤の連続なのです。
学ぶのは学べるようになることです。そのために学んでしまわないことなのです。☆つまり、学べていくと、そのプロセスではともかく、結果として、どういうトレーナーともうまくやっていける能力がついているものです。ですから私もいろんなトレーナーと、ここで長くやっています。絶対的価値観をもつトレーナーを除けば、ですが。