「歌に対してのヴォイトレ」をどういうスタンスで捉えるかについて、言及します。応用の基礎とか表現のトレーニングというくくりでも述べてきましたが、私の述べる狭義のヴォイトレは「声」の強化で、
1.共鳴
2.発声
3.呼吸(体)
の次元です。そこで、それぞれ、その関連を捉えるのです。
しかし、広義には、歌やせりふまで入ります。「話」の基礎として、その技術、あるいは声の機能面として日本語、その発音、アクセント、イントネーションなども含めています(「声の基本図」参照)。
それをチェックするためには、現実的には目的にすべき表現、その人の世界観まで、必要とせざるをえないので、上位に「表現」をおいています(表現と声との問題だけみるケースや声の表現の判断やアドバイスだけをしているケースがあるのは述べてきました)。
今のステージのために、声を応用するのが歌です。その状態を調整するのが即興的な歌のレッスンです。それに対し、将来のための基礎づくりとして、条件面を鍛えていくトレーニングとしてのヴォイトレを私は目指してきました。それゆえ一度、自分を白紙にして、表現を離れることが余儀なくされるのです。