せりふや歌は、知らないうちに疲れを喉にためていきます。やや疲れたときのほうが表現として、より働きかけるといえます。そのためにわざと続けたり、かすれさせて声を使う人もいます。いわゆる、「のってきた」状態です。「のってきた」ときは、もうやりすぎ、使いすぎているものです。
無理しなければ状態が悪いことを悟られずに、何時間かはできるでしょう。間に長い休みをとると、声は疲れを表に出してしまうのです。使いすぎて少し麻痺、喉が休みをとろうとしているのです。
ステージの間の休みの取り方は、難しいケースが少なくありません。
「ステージでは疲れないようにすること」
「疲れていても疲れを見えるように出さないようにすること」です。声も似ています。元気のない声、ハリのない声では、価値がつけられません。
絶好調ののりのときに喉(声帯回り)は、もう疲れていると考えておくことです。「喉も消耗品」と意識することは、トレーニング中にリスクを減らす一つの考え方と思います。