たとえば、「おはよう」と言うのと「オッス」、「オッス」は「おはようございます」の短縮形とも思われます。一方、上司が部下に「おはようっす」などと言われて、「オッ」「アア」と応じると、そこでは承認の返答として、その表情や音が意味を持ちますが、ことばにはなっていません。
感嘆詞などでは、ことばを感嘆して略してしまっているともいえるのではないでしょうか。もちろん、先になんとなく、そういう感じの声が出て、そこを、より伝えたくて意味としてのことば、単語ができてきたのでしょう。
「ああっ」→「しまった」
「えっ」→「ほんとう?」
「へっ」→「うそでしょ?」
この場合、実際の現場では、正しいことばでなくとも伝わりますね。前の「ああっ」や「えっ」は、書き表すだけでは正しくは伝わりません。第三者に伝えることを前提にすると、音声で真似るか、ことばを使うかしかないのです。
「いっいたーあ―(痛い)」
こういうときは、海外で外国語を使って生活していても、思わず母語が出るものです。
痛いときでも、一人でいるときは、普通の声、気のおけない他の人がいるときは、ややおおげさに、厳粛な式典のときは無音(息だけ)くらいで、というような使い分けをしてしまうことでしょう。いつも他人を気にしておのずとコントロールされてしまうのが、人の声です。