最終的に問われる、その人の魅力や存在感というものも、音声では最低限のことをやったうえですから、つまり、はっきり聞こえるように言えることが、第一となります。そのことが個性を出すことより優先されます。
歌や芝居のうまい人と、印象に残る人の違いは、声において明らかな差があります。日本では、ルックス、ヴィジュアル面が優先され、声の力がなおざりにされているのは残念なことです。世の中は、映像優先の方向にずっと動いてきたのです。
韓国ドラマや代劇で学んでください。主人公やそれに準ずる役と、エキストラや一回しか登場しない役者との声の違いを知ってください。台詞は台本をつくる脚本家、見せ方、撮り方や構成は演出家、監督の責任です。そのせりふをどのように表現するかが役者の真骨頂なのです。