いつも「結果オーライ」の基準を私は提唱してきました。よい方法かどうかなどを問うよりも、その人がよく表現できていたら、よく生きていて、よいものを得ているということです。
拙書のヴォーカル教本のほとんどは、「響きにあてるな」「共鳴させようとするな」「当たってくるまで保て」「共鳴したらよいがさせてはいけない」など、従来の方法やプロセスを否定するようなことばを使っています。
そうしたい人に「そうするな、そうなるまで待て」と言うのはおかしなことです。しかし、そうしたいことが本当の目的でなく、プロセスにあるのですから、そうしようとするのはよくないのです。
もう一例、ピッチを正しくとかリズムを正しくというのも同じです。正しくないから合わせようというのは、初歩のトレーニングというよりは、低次元を目的(付け焼刃)としたトレーニングです。