「できない」とときおり、生徒がトレーナーに言うのを聞きます。「それで」と思います。できるのであればトレーナーは不要です。少しずつできていく、それは、できていないということを少しずつ明確にわかっていくことからです。そこから、どこまでどうできていないのかという細部へ入っていくことがレッスンの進化です。どうすればできるのかが頭でなく、体でわかってくるのです。
「これをやってください」と言うと「わかりました。やりました。次は」という人もいます。これは例えれば、蕎麦打ちのように思ってください。わかって打ったつもりのあなたはの蕎麦は、他の人は食べたくないレベルの蕎麦でしょう。
「終わりました」けど、「できていない」のです。「わかりました」けど「できていない」のです。そのなかに一本でもハイレベル、通じるものがあれば、あとは時間の問題です。その一本からスタートにつくというのが私の考えるレッスンの一歩です。体を少しずつレベルアップしていくと、しぜんになるのです。イメージの発露を邪魔するものもイメージです。のどでしゃべろうとするほどに、のどは固まるわけです。