私は、ヴォイトレを、がむしゃらにやればよい時期と、自らの限界を知って選択していく時期とに分けています。問題は、その境目の時機をどうみるかです。
しかし、多くの人は、まだまだ、そこまで達していないのです。自分について判断するまえに諦めたり、やる気をなくしたり、仕上げたつもりになる人の多いのに驚きます。
レッスンは、ときとして最初から後者になりがちなのです。レッスンの目的に効率や合理性を求めるから、そうならざるをえないのです。
それまでに自分でできないところまで試してみることです。それが充分でなければレッスンをやりつつ、試みればよいのです。レッスンで視点を得つつ、レッスンと関わらず、自分の思う通りに大きく思い切ってやるというのは、なかなか難しいのです。
今のヴォイストレーナーのレッスンは、総じて、レッスンを求める人に合わせてできています。それに反することになると、矛盾したり中断したくなります。実のところ、そこでふんばることが大切です。人まねでなく、自分自身のもつ可能性を知るために、です。