「レッスンで説明を受け、納得できたら家で自分で練習します」という考えの人もいます。そのために、私は、誰よりも本や会報で、ことばにできるところを残してきたのです。ブログにもQ&Aを入れています。
あなたを安心させるだけの説明なら、いつでも何でもできるのです。ただ、あなたのことを充分に知らないうちに、こちらの模範解答や正解を与えても、決してよい結果になりません。ただの知識欲で、自己満足になりかねません。それでは、レッスンの意味がないのです。知らないうちというのは、今のあなたの声でなく、将来の声や歌の可能性のことです。
自分の考える正しさは、誰にも通じるものだという確信をもって、あるいは、自己暗示にかかってトレーニングを始めるトレーナーは少なくありません。あるやり方がレッスンの真骨頂だと思うトレーナーであって欲しいとも思いません。
「こうしなくてはいけないのでなく、こうしたいからです。あとは自分で考えなさい」と。
理由なしにはできないと思わないことです。そういう問いと答えをたてたら、大した成果をもたらさなくなります。私の指導の体験から言っておきます。この世界にいると、奇跡はけっこう起きるのです。説明がつかないから、魅力的なのです。