いろんなメニュに大した根拠はありません。必要に応じて、その日の心身に応じて、セッティングするものです。このセッティングの能力を磨かなければいけないのです。学ぶことなのです。それを対面して、できるレッスンで学ぶのです。
すぐれたトレーナーは、その日のその人の状態と理想、目的のギャップの間に即興的にメニュをセッティングします。その段階までいかないときは共通のメニュをくり返します。同じことのなかで、わからせていくことに時間をかけます。
質問の多くは、何と答えても、やる方は頭でっかちになり、発声に役立ちそうもないです。トレーナーが熱心に真面目に応えると、そこから抜けられなくなるのです。
あなたのことを思えば、最初から答えない方がよいことが多いのです。でも、「自分の体に聞いてください」と言われると困りますね。「それがわからないからトレーナーに聞くのです」と言われそうです。トレーナーにもわかりません。練習がそこまで達していないからです。不安なく取り組ませることが必要なときは、そうするのです。
しかし、本当はすべてわかっていると勘違いしているトレーナーの方が問題です。トレーナーが予定しているくらいの上達なら、今や、自主学習で充分できます。トレーナーが予知できないレベルで、その人から何が出てくるかを問えるようにセットするのが、本当に意味のあることです。
お互いに研究のできていくようにレッスンをセットします。勝負はそこからです。そこまでは、淡々とトレーニングしていけばよいのです。