正しいのか間違っているのかという、二択の対立構図でないことを述べています。それでも正誤にこだわりたいという人は多いのです。次のように考えてみてください。これは、自ら歩んでいく人のためのアドバイスであり、トレーナーや学者や批評家、専門家に言うのではありません)。
前提として「あなたは絶対に正しく、あなたのすべては正解になりうる」ということです。だから迷おうと迷わまいと「自分の思うように続けていけばよい」のです。あなたの存在もあなたの表現も、顔も声も、そこに間違いなど最初から最後まであり得ないのです。あれこれ周りを気にする必要はありません。「あなたがあなたを認めればよい」のです。
そこの上で、仕事や生活となると、そこでは、「他の人に認められること」が必要になってきます。
私も研究所でのレッスンで、その人の目標に応じて、このスタンスを分けています。
オーディションやレコーディングやライブに近いときは、第一には、ワンポイントアドバイスと応用のトレーニングをさせる。第二には、基礎のトレーニングを入れつつ、近い目標に全力であたる。その比率を相談から決めます。本当の基礎のトレーニングは、必ずしも急ぎません。
仕事は、他人に求められている表現ですが、そこに占める声の割合が下がっているので悩むことが大半なのです。そのため、求められる表現が、あなたの声の状態とずれていることが少なくないのです。これも一方が正しく、一方が間違いではありません。
トレーナーからすれば、後々のことはヴォイトレで、目先のことは、付け焼刃の技術でカバーしたいと思うかもしれません。しかし、そのスタンスも本人が決めたら本人には正しいと思うのです。