普通のトレーニングは、「早くよくなる」のが目的のように思われていますが、「よりすごくなる」が忘れられています。これらが両立したり、順になるなら一番よいのですが、少しでも早くよくなることだけが目的にとられがちです。そうするつもりではなかったのに、それだけになっていることが多いのです。トレーナーの考えも、トレーニングする人の目的がそうだから、そうなるのです。
すごくなるには、とても時間がかかります。結果としてすごくなるという目的であってこそ徹底した基礎トレができるのです。早く少しよくを目指すなら、バランス、調整中心の使い方、技巧のメニュや対処方法のオンパレードになるのが関の山でしょう。アスリートの世界で考えたら、言わずもがなです。
勉強ということ自体、私たちは昔よりもずっとしているようで、理論というまやかしに走って根本が見えなくなってきたのです。学ぼうという人は、理屈やノウハウばかり欲しがっているから、なおさらそういう傾向になります。トレーナーの質も、それに伴ってしまうものです。