メニュもやり方も、すべて変じて多様なものになります。変じてあたりまえです。トレーナーも多様でありたいものです。多様であることは豊かなことだからです。
レッスンで、やり方がどうとすぐに言う人をみると、そう前に、なぜ一度、受け入れてみて学ばないのかと思うのです。私も瞬時に変じているのです。変じたものでなく、変じることを学ぶべきなのです。
先生やトレーナーでは、大して変われらないかもしれません。変わらないのをよしとしている人も少なくありません。
ここに入ったときのトレーナーも2人に1人はそんな感じでした。「私が教えられた発声を教えにきました」というようなものです。それを今は「私の発声を教えにきました」にしてスタートしていただくようにしたいます。そういうトレーナーしか採らなくなりました。
一方で、どのトレーナーも、自分以外にも、いろんな正解、いや、いろんな方法やよいメニュがあるとわかるのに、案外と時間がかかります。わかっても、それを使って教えるのがよいのか、それで早くできるようにするのがよいのかは別です。
すぐれた歌唱をする人ほど、自分の過去のプロセスに自信をもっているから変わりにくいものです。特に、教える相手が自分よりも未熟であるとそのままです。変わらないのはまだよいのですが、「変われない」のが困るのです。応用力がないということです。