人工のセンサー万能の時代になっても、トレーニングや修行を積んで研ぎ澄まされた人のもつ感覚には、いつも驚かされます。千原ジュニアの番組「超絶凄ワザ!」を見ると、達人の技は、センサーや精巧な工具を今もって超えています。1000分の1ミリなどというレベルで触感をもって削り出す技術に使われます。そういえば、坂本龍一氏が、リズムで1000分の1秒の違いで異変に気づく、1000分の40秒では明らかにわかるということを述べていた覚えがあります。
トレーニングした人と、トレーニングしていない人との差は著しいものです。
小さな頃、野球で、フライを獲るのに、うまい子と下手な子がいました。何秒後、何メートル先のどこにいたらキャッチできるのかを予測して行動する体感力です。高度な物理学でも計算は難しいほどで、ロボットがようやく追いついてきたことと思います。天空に上がったボールを射撃することはできるかもしれないが、ピッチャーのフォーム、バッターの構え、その打撃音から瞬時に落下点の検討をつけ、位置方向を捉え、予測して動き、修正してキャッチするのは、経験と勘です。そこでは、どのくらいのデータがいるのでしょうか。
高度に発達しつつあるAI、センサーやロボットは自然の世界や、しぜんの生み出した動植物に追いつこうとしています。ようやくダンスや階段を昇降できるレベルになったところです。最後までロボットに取って代わられないのはどこなのかを考えることです。