レッスンの指示は、「~のように」と例えでイメージさせるのが、一般的です。外国人の指揮者は、イメージ言語に長けているように思います。日本では、幼児にピアノを教える先生にそういう人がいます。これもヴォイストレーナーに求められる演出家の資質、ことばのイメージの伝達に関する才能や感性といえます。
ちょっとしたことばの使い方で、まったく相手の身体の動きや発声が違ってくるのです。
例えば、「息を入れて」「吸って」「息が入るようにして」「お腹におとして」「お腹を拡げて」「筒のようにして」など、使うことばで随分と結果が違うものです。原初のイメージを踏まえるとよいと思います。ことばは、つくられてきた理由があるのですから。
レガート つなぐ→legare縛る 結ぶ
スタッカート 切る→staccareちぎる はがす
ポルタメント すべらす→運ぶ ひきずる
ルバート 速めてゆるめる→盗む 先取りする
アレグロ 速く→快く 朗らかに 浮ついて