20世紀になり、レコードやラジオで、プロの作品を聞けるようになりました。すると、これまで、音楽を素人なりにたしなんでいた人がやめてしまいました。周りの人もプロの演奏を買うようになったからです。お金で作品を買うようになったわけです。
次に、作品が大量生産で安くなり、少数が聴衆として楽しむ音楽から、大衆が消費する音楽となりました。カラオケのよさは、自ら選んで消費していくことにあります。予めプログラムされたものをこなすゲームマニアと似ています。
身の回りにある声や音楽を聴いて体が動く、それが他の人の動きとかぶさっていく、そういう中で使われる声や音楽がなくなりつつあります。
声の純粋化は、文化規範に立ち戻るのか、解放していくのか。地域独自のものがグローバル化されていくのは世界共通です。日本の場合、戦後もっぱらアメリカナイズされたゆえに普及し、大ヒットし、市場をつくりました。が、世界と一体化することなくガラパゴス化しました。