先に求めるレベルが、後ほど基本に関わってきます。「基本とは一流のプレイヤーが共通してもっていて、そうでない人がもてないもの、プロのなかでもその差が一流との差となる」と、基本を説明してきました。初心者が、最初に習得するのが基本というのとは全くもって異なります。
目標や必要度をあげなければ、声は曖昧で大して客観的には評価できないからです。呼吸法や腹式呼吸でも10年、30年、一生ものという人と、30分で身につくという人は、言うまでもなく求める世界もレベルも全く違うのです。
また公開セミナー、ワークショップ、一日とか一時間の体験レッスンで問われるものも違うでしょう。そういう短期での効果を問われる場に出ると、トレーナーは演出家になってしまうのです。あたかも素人TVに出させるときの演出のようなことに長けてきます。スクールの体験レッスンなどで力のあると思われるトレーナーもその類いです。
研究所には、レッスン歴5年などあたりまえ、10年、20年という人もいます。そのキャリアは声に紛れもなく出てくるのです。そこと音楽的才能とは別のことですが。
また、ライブやイベントをスクールの仲良しサークルでというのでは、10年続けて20年というものの意味が違います。私はイベント、ライブ、合宿、公開セミナー、ワークショップをやめました。ここでの目的は、声と表現の探求、本当の基本のマスターなのです。