多くの人は全身から声を出したいのではありませんか。ですから、幼年期に、あるいは、赤ん坊のときに大声で出していた、そこへ戻り、声域も考えずに全身での声を取り戻す-そこまで基礎に戻るのが本当のしぜんでしょう。
ところが、最近の問題は、戻るところの経験がないことです。ですから、全身で声を出すことの体験からして欲しいのです。
うまいも正しいも、しぜんでなく深くありません。メリハリ、踏み込みは、本来、話声域として日常で覚え、使っておくことです。それがないので、低い声域で共鳴するベースづくりが必要となるのです。強い喉といっても、声を強く出してつくるのではありません。かといって、喉に全く負担のかからないやり方で回避しているのでは、強くはならないのです。