人間が関わること、特に個人レッスンは、マンツーマンであるから感情が入るのは当然です。それは、クライアント側だけでなく、トレーナー側でも同じでしょう。精神分析では、それを転移、逆転移といって戒めています。感情が生じるのは当然ですから、それを認めた上でレッスンに影響を与えることを避けるのです。これは、相手を尊重し、自分を守るために必要です。
トレーナーの熱意がクライアントに負担になったり、無理強いになったりすることはよくありません。また、親身になることは大切でも、それが声の指導を超えるのは考えものです。専門外の問題にまで、家族や職場での人よりもトレーナーを最大の相談者としてしまうことは避けたいことです。
トレーナーとしては、責任感が強いのはよいとしても、問題を一人で抱え込まないことです。誰しも万能ではないのです。原則として、分を知り、受け持てる範囲を限定して対処するべきです。