夢実現・目標達成のための考え方と心身声のトレーニング(旧:ヴォイストレーナーの選び方)

声、発声、聞くこと、ヴォイストレーニングに関心のある人に( 1本版は、https://infobvt.wordpress.com/ をご利用ください。)

表現か機能か☆☆

これまで多くの歌を判断してきました。プロデューサーとしてではなく、トレーナーとして、です。プロデューサーとしての判断は、プロデューサーになり切ってみるのですが、なり切れない分、プロのプロデューサーに劣るわけです。私からいうと、割り切れない分ということです。

 今の時代と時代の先を読む、未来を読む、そこで視聴者を読むことになっているのです。しかし、視覚が聴覚を凌駕したどころか、聴覚の価値がとことん落ちたことで、特に日本人は元々そういう傾向が強いのですが、判断が世界と異ならざるをえなくなったのです。

 ヴォイストレーナーの本分は声の判断と将来の声の育成ですが、声には正解がないのです。声をツールとして何らかの効果を上げる表現でみることに価値観があるのです。それが芸術的なのか、技術的なのかで異なるのです。表現か機能か、ということです。

 それを私は音声でみます。徹底して発声だけにも、芸術、宗教、神がかり的なもの、普遍的な宇宙の原理をみます。

 歌なら歌の音声としてみる分、発声は副次的になります。せりふも語りも、まずは、機能的なものを求められます。とはいえ、基礎がないと本当の応用も効かないのです。長期的に基礎を固めさせていく一方で、基礎は簡単に身につくものではないからです。そこで、ある程度、長所のなかで基礎の足らなさを見切って、音声の表現としての魅力を優先しているわけです。