オリジナリティの見方となると、相手あってのものです。しかも、いくつかの組み合わせの結果ですので、要素での分類には、そぐわないです。そこをあえて、無理に分けてみます。
a. 声そのもののよさ(白鳥英美子、カレン・カーペンターズ)
b. 声の動かし方のよさ、フレーズ
c. 歌の構成、展開での声の音楽性(日本なら、木村充輝、横山剣ほか)
d. 歌詞、ことば
e. 感情表現、意志、エネルギー、オーラ
これまでに出してきた私選のヴォーカリスト一覧を参考にしてください。このなかで、ヴォイトレの目的となるのは、bのフレーズです。フレージング、オリジナルのフレーズといった類です。
多くのレッスンや教材が、実践に役立たないのは、そこを完全に欠いているからです。私自身のものにも、一般、初心者対象では、そこを入れようがない、ことばでイメージを伝え、伏線を引いておくのが、やっとのことです(「ヴォーカルの達人」の2巻での付属CDに、スキャットトレーニングなど、若干あり)。
海外のものには、ギターなどのナビフレーズ集のように、多彩な声のアドリブフレーズ集もあります。が、あまりに影響されるとヴォイスパーカッションのようになりかねません。楽器と異なり、声は音色が人によって大きく違うので、コピーがよいかというと難しいです。音色やフレーズでなく発声だけでみたり、歌のメロディ、リズム、歌詞でみるからです。 同曲異唱を同じフレーズ異唱(異は異なる人のこと、一流のアーティスト,プレイヤー、楽器も可)でとことん聞くようにアドバイスしています。