フレーズについては、リットー・ミュージック刊の「裏ワザ」にやや詳しく述べました。声の音色と動かし方を、絵画のデッサンでの、色と線で例えて説明してきました。
歌は音色でのデッサン、線のデッサンです。これは、4小節を中心に構成され(8ビートで入りやすい)Aメロ、Bメロ、サビのなかで成立している多くの曲での展開に対して、歌い手がどのように切り込むかを中心にします。
しかし、その解釈と創造によって一人ひとり違ってくるのです。まさに楽器と演奏は一人ひとり異なるからです。その持ち味も違います。
本当は、同じ人でさえ最初のフレーズの入り方で、その後の展開、構成すべてが変じていくほど大変なものなのです。楽器プレイヤーの常識レベルが、日本の歌い手には、まだまだ通じないのは残念なことです。ジャズやブルース歌手に学んでみてください。