私やトレーナー、専門家の説明できること、そのなかで“科学的”なことというのなら、とても限られているのです。むしろ、科学的な説明を入れることで、実際には混乱を引き起こしているともいえるかもしれません。
声やヴォイトレの科学的な側面を知るなら、本を4、5冊読めば充分です。例えば、音楽之友社の「歌唱の仕組み」(リチャード・ミラー著)の一冊でも充分です。
知識欲を満たすことと実践に役立つことが違うことを知ってください(内容は、いくつか賛成しかねるところがありますし、私の知りたいことには全く科学的に答えてありませんが、それは他書も同じです)。
レッスンで大切なのは、そのこと以外のことをつかむことです。声は、知るのでも、分析するのでもありません。頭でわかるものではないからです。