身体、体と身はどう違うのでしょう。体は、そこにあるモノとして、身はそのモノの内身、実をも含んでいます。心身というのから考えると心―心身―身体―体のように分けられそうです。
ものや人へのこだわりや執着から抜けることが肝要です。発声やヴォイトレということから抜けること、そこで抜けられないから声を使うともいえます。声を使って忘れるのです。音楽を聴いて現実を忘れたり、カラオケで心を真っ白にするのもよいでしょう。そのとき声も(歌も)忘れる。自己も忘れるのです。心身脱落を目指してください。
声の根っこには何もない。実体がないのに発せられ、伝わるのです。自分の集まりが発散されていく。そのときに自分の体のなさから悟っていくのです。「身心脱落」とは、道元のことばです。声も下脱するのです。