技術でこなしたら技術でみせるようになっていきます。歌が歌のようになると、ただ歌のように思われ、そのうち退屈になって飽きられてしまうのです。技術を勉強した人とみえて、技術がでしゃばります。
トレーナーも学ぶときに、もっとも気をつけなくてはいけないことの一つです。というのは、技術を売りにしている人に技術の欲しい人が行くものですから助長してしまうのです。
本当の歌は、歌で働きかけます。問われるのは、歌ではないのです。結果として歌われている、その人そのものです。いえ、その人さえ消したものです。ただの声、いえ、声さえ消えたものなのです。
その人と技術が2つ、出るのは、もっともよくありません。トレーニングが出るのは暑苦しいのです。まだ熱意、情熱の押し付けの方が気が紛れます。