何事も目的によります。言語は、区別を強います。意味を与え、分析するだけでなく、内と外、仲間と敵とを分けます。しかし、言語としてわからなければ、どこのことばも音楽なのです。
レッスンでは、イタリア語、フランス語、ポルトガル語、スペイン語、さらに、それ以外の言語の歌を、ことばの意味、文法や発音は学ばせずに使うことがあります。わからなくて使うのはどうかでなく、わからないからこそ、使いたいのです。英語は日本人にわかるので、わざと使わない方がよいとも思うのです。意味を調べたくらいでわかったと思うくらいなら、使わない方がましです。
まず、言語がわからなくても、歌は声で伝わることを知ってほしい。その声を聞いて欲しいのです。海外のアーティストの歌も、そうして耳に馴染んでくるのではありませんか。