徹底してトレーニングをやった、ということでなくとも、それと同様かそれ以上の体験を積んでいる人はいます。歌やセリフの表現をプロレベルで誰よりもステージとして行っている人です。そういう活動のなかにヴォイトレが含まれているのです。普通の人の日常に対し、プロの非日常は、心身も呼吸も声も、たくさん使っています。それゆえ、目一杯やってきた人をどうするのか、そこにこそトレーナーの意味が、本当はあります。
どの世界もa.素人対象、b.プロになる素人対象、c.プロ対称、d.一流になるプロ対象は、それぞれに異なるのです。
日本では、ほとんどa、b、でもプロはなかなかできません。dはいないし、cは基礎でなく応用、鍛錬はなく調整、つまりアスリートにとってのフィジカルトレーナーはいないのです。
私も研究所のトレーナーも、マッサージ師ばりのトレーナーもcの基礎やdの体制を持っています。プロダクションなどのトレーナーは、ほぼbやcの応用が最高と思っています。
アメリカなどに行くと、確かにcの応用が中心です。でもそれはハイレベルに基礎ができているからで、そこを学んで日本で行っても応用で基礎が身につくことは、ほとんどないはずです。