全盛期には、声と心身のベクトルがきちんと合っていた人も、心身の成長とともにバランスが変わり、同じベクトルではズレが生じるのです。そのズレは疲労のようなもので、蓄積すると発声に関わると思ってください。まして、ステージだけに打ち込めたときとは状況が変わっていることもよくあります。
心身の変化が第一です。それが、どのレベルにあり、今どうなっているかを、プロセスとともにきちんと把握します。メインは、声と歌です。
声域(キィ)やピッチの乱れから衰えを感じてくる人が多いのですが、その前に音色、共鳴が変わっているのです。でも、音に届かせたり、ピッチのキープに力を入れたり、変な固め方をして、本人が自ら乱してしまっていることが多いのです。