ハスキーな声に憧れて、声の状態を悪くしてしまうのは、よくある話です。クラシック風を嫌い、ロックに憧れる人なら当然です。特に海外のアーティストをまねると、です。
シャウトについての勘違いが拍車をかけます。芯がない、浅い声でのシャウトは、生声ですから、共鳴、効率が悪く喉に負担をかけ、ロスをします。とても大きな声の器があるならともかく、そうでなければ、芯のついた声で最小の負担にするコントロールが必要です。効率よく声になっていないのを力で動かすのは支障をきたします。遅かれ早かれ、喉にも声にも限界をつくります。つまり、バッテリーを消耗させるのです。
a.声の芯あり 深い声 シャウト 共鳴あり ハスキーヴォイス リスク小
b.声の芯なし 浅い声 どなる、がなる 共鳴なし 生声 リスク大
海外のロック歌手のシャウトは、オペラ歌手との共演も可能とし、オペラの曲さえこなせるのです(マイクを使ってのことですが)。純粋な共鳴の声量では、オペラ歌手にかないませんが、感情表現や声のコントロール、伝える力では負けていないのです。
日本語では浅くなりがちですから、声の芯を捉えておく(このケースでは、声のポジションと言う方がわかりやすいでしょう)、そこで深い日本語に深い声でする、芯を得てから動かす点では、これまで述べた通りです。