ときおり、次元ということばを使います。世の中には一つ上から考えると問題にならないことを問題として、悩み苦しんでいる人がたくさんいます。これは何も私が一つ上から見下して言っているのではなく、きっと、私のことを一つ上からみて、ここで問題としていることも問題にならないと、もっとすぐれている人はみていると知った上で述べています。必ずしも上がよいというのではありませんし、上下というのも仮のイメージで、考えるための設定と思ってください。私自身が悩み、あるいは、他人の悩みを問題として取り上げて、考えるときの一つの方法です。
ヴォイトレにおいて、私が学ぶのは、一流の人のいる世界からです。日本の歌い手や役者よりは、他の世界から学んだことが多かったかもしれません。最初に走り出すと、他の業界に学ぶしかなくなるわけです。
それは、一流の人(それが何を示すのはともかく、世の中で何かですぐれて知られている人、その何かがどうかということは、改めて取り上げたいです)やプロで続けてきた人と、それを目指す人、そして普通の人がいて、そこの違いということです。