気をつけなくてはいけないことは、声を深めることと響きをまとめることの相関関係です。縦の線での下と上、あるいは、支えと解放との関係です。私のことばでは、A:芯、B:共鳴がそれにあたります。そのバランスのとれた状態をC:歌とします。
私は、共鳴をAを胸-Bを頭と捉えています。(A+B)=Cともいえます。Aは、体―呼吸―声と捉えられます。で、Bは補充、頭部共鳴の絞り込みです。共鳴の焦点化は、調整Aは、声のポジション、本来、外国人のもっているところをつくる、Bは集めるのです。日本人にとってはAが条件づくりとなります。
そのために外国語の発音を彼らの発声から得ることです。そこは喉で固めたり押し付けたりしがちです。自主トレではリスクのかかるところです。「ハイ」のトレーニングでは背骨から尾てい骨まで響くような声づくり、体づくりをするのです。
そのポジションでことばにすると、Dの表現となります。A=Dの一致のなかに、Bの頭部共鳴が含まれていたら、B=C歌となります。音域も高くなります。そこでAとDの間にB=Cが含まれる、つまり、発声のなかに歌が含まれると理想の形となります。
BとCを区別したのは、Bは声の共鳴、Cはその応用としての歌だからです。Dのことばでの表現をそのままCの歌に取り入れると、ラップ、ポピュラー、シャウト、ハスキーといった歌になります。ことばのフレーズから歌へのアプローチはこれにあたります(参考「メロディ処理」)。