ステージで思いっきり声を出す、といっても、コントロールできるのは70パーセント、マックスで80パーセントでしょう。100パーセントのときは、もしありえたとしたら、多分、全能感しかないはずです。
日本のクラシックならもっと制限するというのが真っ当かもしれません。50パーセントくらいにも思えます。楽器の演奏も100パーセントの力を使うことはありません。しかし、だからこそ100パーセントの音や声が出せるだけのことを、トレーニングで行っておくということです。
もちろん、トレーニングは今の100パーセント以上を目指すためです。そこは無理とか無茶でなく、基本を踏まえて原理に基づいて実行していくのです。練習では、本番で使うのに必要なこと以上の器をつくっておくのが理想です。☆
ステージが爆発型ならトレーニングで静かに丁寧に、ステージが落ち着いた丁寧なものならトレーニングで思いっきり枠を外して、というのがよいと思います。もちろん双方伴えばよいのですが、時期によって分けるのもよいでしょう。私は、時にトレーナーによって分けるというすご技で処方しています。
日本人の場合、どちらのケースでもおとなしく、結果、声についてはパワー不足です。それは日本人の好みということも関係しているので、やっかいです。声を使う方も聞く方もエコのようです。声を使う場が、内輪、仲間内というケースも多いからです。