長い期間をかけて有利にしていくというのは、何事でも本道ですが、本当に問われるのは質です。より高くより深くです。期間や時間という量は、才能を努力で補う手段の一つにすぎません。ただ、大体は、最低限の量というのがあって、それを必要とするものです。
歌は他の分野から入ってくる人も多く、兼任の容易なジャンルですから、そこがあまり理解されていません。歌唱は、音楽の演奏です。でもそうでなくとも成り立たせられるから、わかりにくいのです。
そこでトレーニングの方法やメニュ、トレーナーを選ぶ人もまた、C→Aで選んでしまうものです。
上達に長期で遅効なのは、誰も望みません。でも、時間よりも質です。声であれば、それは音色となります。それについて専念するなら、周りに迎合し、一喜一憂しなくてもよい分、楽でしょう。
本当は長期であってこそ、トレーニングの成果をプラスとして使えるのです。短期では中途半端になるため、成果も部分的なものになるのです。
今、行っているトレーニングがどのくらいのものか、完成まで必要なものが何なのか。わからなければ、いつまでと、一時的に決めてしまえばよいでしょう。
すぐに役立つことは、すぐに使えなくなるものです。身につくのに時間のかかるものほど時間を超えていく可能性があるのです。何よりもそれは、他人と比べるのでなく過去の自分の力への反省あってのことでしょう。