本は書き続けていますが、多分、マニアの人よりも他の人の本を読んではいないでしょう。知らないこと、わからないことだらけのなかで、まとめられるのは、その理を捉えているからと思います。これを法とか本質と言う人もいます。原理の理、法則の法です。
ですから、私の本は、どれも一つのことしか伝えていません。そういう本と、何でもいろいろと集めた本、試したものすべてが載っている本では、目的が違うと思うのです。
しかも、私は、一度書いたものを常に改めて続けています。毎年学ぶと毎年変わる、それはレッスンを受ける人だけでなくトレーナーもそういうものなのです。同じことをくり返しているようでも、日々、新たに新しいものと出会え、同じ人とも新たなことに気づき、全てはWhat’s newなのです。
自分の心身さえ、毎年どころか毎日、毎秒ごとに変わっているものでしょう。やめようとか続けようとか、いろいろと頭をよぎるときもあるでしょう。
何事も一瞬たりとも元の姿を留めていないのです。人の定め、運命のようなものかもしれません。そこで声を扱うのですから、いかに大変なのか自覚ももちましょう、ということです。