素人が、純粋に真剣な思いでビギナーズラックを起こすのは、自意識が過剰でないところまでです。もし、「感動的な話をもう一度」と言われ、くり返すと、最初のようにはいかなくなるでしょう。必ず、自意識が変に現れてきます。本当の勝負は、もう一度求められての二度目からです。
再現するには、もう一人の自分としても自意識が必要なのですが、そこで初心が保てなくなります。それゆえに、さらにもう一人の自分やトレーナーが必要なのです。
自意識のコントロールで保てるところを超えていくには、話や声や芸、そして、自分をも消し去らなくてはなりません。その二人を扱う、もっと大きなものに委ねるということです。