ここで、もう一つの時間というのは、時間の刻む同じテンポでなく、質のこと、密度のことです。同じ時間の歌の中で、何が起きるのかをみます。
1分で3コーラス、3回のくり返しでは、伴奏に合わせて捉えるとテンポ60では、3分で180拍です。しかし、1拍を10で割って捉えられる人もいるのではないでしょうか。人間の感覚では16ビート、16分割くらいが限界のようですが。
打撃の神様といわれた川上哲治は、球が止まって見えて、それを打ったといいます。300球ほど毎日全力で打ち込んでいたそうです。
時間、1、2、3、4のテンポを音楽は守ります。しかし、演奏や歌は、それをふまえつつも飛躍します。1、2、3、4としか聞こえない歌は、棒読みをまねて、棒歌いです。
メリハリは強弱ではなく、波です。それをフレーズといっています。