今は未来から見ると過去となります。自分の未来の最後は死です。死からみるということです。
死を尊ぶのは、死んだ人を悼むとともに、その終止に敬意を払うわけです。
なぜ、人間の創り出すストーリーにゴーストものがこんなに多いのかと、昔からよく思っていました。
人間だけが死んだ人を埋葬します。そして喪にふすのです。
身近な人の死に、度々遭遇する年代になった私ですが、多くの死は、その人の死んだあとに知らされます。早ければ当日、遅ければ年があける前、なかには、何年か後に知ることもあります。しかし、知るまでは生きていると思っているし、そのくらいに疎遠になっているなら、死を知った後も、しばらく経つと、それほど以前と変わらなくなります。
その人は生前と同じく、人の心の中で生き続けるのです。
通夜や告別式に出ないと別れられない、死別という実感がないというケースも多いでしょう。