初心者にも対応しつつ、トレーナーが初心者レベルになってはならないのです。合わせる必要はあっても合ってしまうようでは、よくないのです。
なぜなら、そうではない相手のときにも、全てわかっている気になってアドバイスをしてしまいがちだからです。それでは、白紙で研究し向上する姿勢を失うからです。
最高のレベルのレッスンでは、プロセスも評価も、トレーナーさえ把握しえないものなのです。
自らは深く、声を探求しながら、その経験をアドバイスして他人をみていくことは、そして、その深みとの距離の取り方を維持していくことは、とても難しいことです。
教えることが増え、多くの人に伝えることが増えると、説明しやすい方、わかりやすい方に寄っていくのは避けられません。そういうことの方が求められ、認められやすいからです。
ですから、いつも一人になり、コツコツと行うのです。
それは、誰もがそう簡単にできることとは思いません。
だからこそ、10年以上の相手とじっくりと取り組める研究所があります。それがここのありがたさ、存在意義と思っています。10年で2つ目、20年で真打ち、30年からの世界というようなものへの表現へ向かっていくのだと思います。