日本語は、対話型のコミュニケーションには、不向きな言語です。すでに関係ができている相手に伝えるには、うまく使えるのですが、初対面、特に1対多では、混乱しやすくなります。人前で話すのが不得意な人が多いでしょう。
主語を出さず、受け身で婉曲に伝えます。伝えるよりは、相手が察していくようなもので、「ハイテキスト」なコミュニケーションといえます。
誰でもが知り合いの同郷の徒、つまりrural(田舎)での交流のものです。
今、使われてよく批判されている「…にほう」「…から」「…とか」という、方向でぼかす婉曲表現も、その一つの例です。主体性に欠ける自己責任を問わない社会、匿名、世間、派閥といった、集団を中心とする社会の特徴がよく表わされているのですね。