2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧
人工のセンサー万能の時代になっても、トレーニングや修行を積んで研ぎ澄まされた人のもつ感覚には、いつも驚かされます。千原ジュニアの番組「超絶凄ワザ!」を見ると、達人の技は、センサーや精巧な工具を今もって超えています。1000分の1ミリなどというレ…
会社の研修などに、暗闇を歩くものがあるそうです。そこでは耳や体の感覚が鋭くなります。 お寺で、いつも、あるいは特別な時期に、仏様の下に潜れることがあります。有名なところでは、長野の善光寺や京都の清水寺、そのほかでも、私は何回か体験しました。…
声は音ですから、聴覚で捉えます。自分の声は、骨振動でも自分に伝わっています。他の音も体でも捉えているわけです。限度を超えた低周波や高周波は、人間の耳の鼓膜だけではとらえられません。 映画館やお祭りの大太鼓、花火の音など、重低音は、心臓や胸、…
オペラも邦楽も21世紀になり生き残るのに青息吐息です。歌の番組はプロレスやボクシング、野球並みに低迷しています。スターが生まれなければ滅びる、ヒット、人気商品が出なくては、衰え潰れていくのです。 多くの人が長く愛するもの、それこそが基本のある…
美空ひばりは、玄人受け(プロから目標とされた)だけでなく、大衆受けし、死して十数年経ってもセールスは続いています。紛れもなく、日本を代表する偉大なアーティストです。これで国際的なヒットがあればと残念な限りです。歌は、その大衆性こそが、歌い手…
歌や宗教をワールドサイズで考える視点が、日本では欠けています。ガラパゴス化を超えて、自家中毒になっています。それは批判ではありません。 時代や国、時間や空間を超えて通じるものであってこそクラシックということです。そうであろうとなかろうと、こ…
私の持論はこれまでも述べてきました。(拙書「読むだけで…」に、ヴォーカルのリストあり) トレーナーとしては、プロとしてやれている歌手のよしあし、好き嫌いはどうでもよいのです。そうでない人が誰をどう見本や参考にして、何をどう学ぶかということで…
新年の週刊現代の「歌がうまい歌手」日本人で、プロデューサーたちが選んだリストをみました。その翌週には、歌手やヴォイストレーナーが異論を、それぞれに述べているのですが、私は、そこともスタンスが違います。結局、述べませんでした。 私としては、一…
これまで、何事にも基礎があるということで、基礎への探求はなされてきました。それをメソッドとして学ぼうと学ぶまいと、人から教えられようが教えられまいが、身についているかどうかということです。それは、より早く、より高く(ハイレベル)、より深く、…
スポーツや音楽の世界では、教えられずに、あるところまで才能を発する人がいます。それには条件があります。必ず、それ以前に、一流のプレー、試合、作品などに接して、そこから吸収しているということです。 独力で伸びた人は、誰よりもそこから多くのもの…
よく「誰の作品を聞けばよいのか」と聞かれます。基礎のある、いや、基礎を学ぶのがよい歌い手や役者は誰かということです。 プロの人は「基本を教えて欲しい」とか「基本をやり直したい」とか「基本を知らないので」などと言って、ここにいらっしゃいます。…
基礎とはfoundation、下部構造、大本、基い、土台、建築物でいうとコンクリートの基礎であります。基本はbase、物事の成立に基づくもの、判断や行動、存在の基、基い、根本、土台という感じでしょうか。 とはいえ、英語でもどちらにも使われ、日本語も区別さ…
「二極論」については、私のこれまでに書いたものを参考にしてください。以下、補足です。 A.役者型―劇場 視覚 イベント パフォーマー 詞 ストーリーテラー(漫才) 詩人 ことば スタンダップコメディ 熱狂 音楽性 インタラクティブ 詞先 (今の長渕剛、美輪明…
一人で指導している人は、その人に合わない人が辞めていくので、もっとも大切な、自分に合わない人への対処について、あまりにも学べていません。残るのは、自分のやりやすいタイプか自分のやり方に合わせられるタイプで、そこでの効果から全てをみるからで…
ヴォーカルというのは、自己肯定力がないと続けられないものですから、どこかで自信過剰、自惚れがあります。まして売れた人ならプライドも相当に高いものです。売れていないのにプライドだけが高い人は、難しいです。 よい歌い手でも、自己肯定力があまりに…
ときに、表現力をつけたいと言って来る人がいます。この場合、ベテランの人ほど変わるのは難しいことです。初心者は、一流のものを聞くこと、そこから力が引き出されるようにプログラムすれば、後は時間をかければよいのです。 しかし、ベテランは、それが終…
自分を疑い続けているトレーナーには自信を与えますが、疑ったことのないトレーナーには、挫折から学んでもらいたいと思っています。早く挫折して欲しいので、ベテランの生徒や難しい生徒を混ぜたりします。うまくいかないところにこそ、その人の個性やよさ…
私は、トレーナーには、いらしてから2、3年、本人のやりたいようにやらせます。生徒に対してきたのと同じスタンスです。本人が生徒と接して学んで自ら気づいて変わるのを邪魔したくないからです。これまでの私たちと異なるやり方やメニュを、ここで発達させ…
今の私は、他のトレーナーや他のやり方の方が早く、いや早くよりも将来的により大きな可能性を得られるというなら、自分のやり方に固執しません。 トレーナーが自らを絶対視しているのはよくありません。他のスクールでは、よくみました。そのために、もっと…
普通、トレーナーは、自分のやり方があまり通じない人や合わない人とは長く接しません、そういう人は、伸びないとみなされるか、他に移るからです。他のトレーナーで上達していくようなプロセスを知ったり経験したりする機会がほとんどないでしょう。そのよ…
メニュもやり方も、すべて変じて多様なものになります。変じてあたりまえです。トレーナーも多様でありたいものです。多様であることは豊かなことだからです。 レッスンで、やり方がどうとすぐに言う人をみると、そう前に、なぜ一度、受け入れてみて学ばない…
トレーニングは、形(メニュ)を使って行います。大切なのは、そこで実質をつかむことです。ドレミレドで声が届いたとか音程がとれたでなく、ヴォイトレなら、体、呼吸、発声、共鳴が楽器として整ってきているかを目的にします。そして、その判断を基準化して…
一般の人に一流の作品に接させたら、トレーナーは、その本質に至るための邪魔をとる、それでよいのです。それが理想的です。「語らず教えず」でよいのです。 それでは、生徒はわからないというので、やさしい先生は、すぐに丁寧に教えだします。「私の通りに…
一子相伝は、選ばれた一人に直接、師が自分と同じようになれるように口伝します。型に完全にはめて、型通りになって継承すると形骸化していきます。せっかく伝承されても、滅びてしまいます。どこかで型破りの天才が出て、新しいものに改革、創造するから伝…
普通のトレーニングは、「早くよくなる」のが目的のように思われていますが、「よりすごくなる」が忘れられています。これらが両立したり、順になるなら一番よいのですが、少しでも早くよくなることだけが目的にとられがちです。そうするつもりではなかった…
長らく怪我や病気をしたあとの治療であった医療が、予防へ向かっているのは、よいことです。守りでなく攻めといえます。先手必勝、早く対策するのは、目標を今より高くおけるということです。そうあるべきに思います。ここで、トレーニングは、治すのとは違…
どんな方法をとるときにも、こちらが説明や実践することで、本人に信心ややる気が出てくると、結果が違ってきます。トレーナーや方法が同じでも、一人ひとり決して同じ結果にならないのです。まさに不確率の世界です。 そのために、ともかくも何らかの説明が…
どの程度に説明するのかは難しい問題です。医者であれば、2つ以上の案を示し、それぞれのメリットやデメリットを説明するのでしょう。どれか1つの方法が、絶対にメリットだけなら選択も代案も必要ないからです。 ただし、その1つでさえ、他のものに比べてま…
理想の何パーセントをまで使えるものとしていくのかというトレーニングが大半ではないでしょうか。「やり方」を学ぶというなら、そのまま100パーセントまで、マックスで使ったら、それで終わりです。 方法よりも 結果として、できていることが大切です。理想…
レッスンやトレーニングの目的に、「歌手」や「役者」になる、ということをあげると、そのための目標の一つが発声の基礎トレーニングです。目的をおき、目標は、3年、1年、3か月のように時期で区切るとよいでしょう。 声は、芯を支えていると動きだし、外へ…