2023-01-01から1年間の記事一覧
声についてのみが課題となると、本格的に学べるところありません。研究所にいらっしゃるのはそのためです。 せりふや音楽性だけをいかに磨いたところで、それだけでは、なかなか一流の役者や声優、歌手にはなれないからです。
役者の演技や歌唱においては、どうしても現場での実践的なもの、即効的なものにならざるを得ないわけです。スクールでどんなに学んでいても、現場を経験しなくては、なかなか上達するものではありません。 現場で、学んでいくのが一般的な方法となり、それを…
私の定義でのヴォイストレーニング、これは世の中では、もはや狭義の意味でのヴォイストレーニングですが、その人の喉、つまり、「声を聞いたら、それだけのキャリアを積んだということが、すぐにわかるような声」ということです。それ以上のなんだというの…
結果として、オペラでも、詩吟、民謡などの名人でも、歌舞伎役者や狂言、あるいはベテラン役者の声でも、一流であれば、そのプロの声というのは、一声でわかるほどのものです。
声楽も邦楽も、発声のプロセスとしては、全てにおいて、共通したようなところを得ているのは確かです。そして何よりも、常人が普通に生きていては出せないような、パワフルな声、喉、共鳴を聞かせられるようになるわけです。
声づくりをプログラムにしたのが、私の研究所です。そこには、長い時間と繊細な扱い方が要求されるために、声楽家の指導者たちと、個別に適応させていくような手段を取らざるを得なかったわけです。もっとも文章にも論文にもしにくいところです。
何よりも、声量や音色に関する、音声基礎教育というのが、確立されてはいません。そこは個人の素質や経験に任されているといった方がよいでしょう。
声の場合は、本当は機能面が基礎となるわけではありません。発声は、運動能力や、呼吸法のような身体能力として問われるものだからです。
どうしてもヴォイストレーニングとなると、声の機能面に対するトレーニングとなります。機能面とは、声域、発音、リズムや音程などといった、わかりやすい基準が付けられるものです。音楽でいえば楽譜が読めるとか楽譜通りに正しく歌えるとか、そういった部…
役者や声優の養成所では、ときおり、結果として、声が大きく変わる人がいるのですが、トレーニングとの結びつきは、偶然に頼るようなものにみえます。個人差が大きいということです。
私が見たところ、ヴォイストレーニングといいつつ、声そのものの鍛錬や熟練をトレーニングとしているところはほとんどありません。 日本では声楽科の一部くらいかもしれません。 国際的には、日常生活の中で相当のことが行われていて、特別な必要性を感じな…
声の問題は、目的に対して、どの程度の声が必要だというのが曖昧なところがあります。本人の意欲がよほど高くない限り、到達点というのは、最初によく見えません。 スポーツや武道よりもそのプロセスがわかりにくいのは、確かでしょう。
それがスクールになって、広く解放され、いろんな才能が集まりやすくなりました。 さらにSNSになると、直接のアピールが、市場に届くので、これも新たな才能を出すにはよいシステムかもしれません。 昔のように、10年20年修行したから、というキャリアだけで…
家元制は、長くいることで免状が得られて、自分の生活を支える基盤ができているという点では、利点もあります。 かつて、徒弟制は、お金を受け取らず住み込ませて、生活の面倒も見て仕事を教えていく。できないようであれば追い出すし、弟子のほうも、それで…
商売がうまい先生や生活に困っている先生も、似たようなことになります。 たいしたことのないことでも、問題であって、自分のところに通わなければ、解決しないように説明します。問題が解決していっても、いろんな問題を見つけては、それを解決するように迫…
まじめな先生は、自分が時間をかけて努力をして得てきたので、その時間と努力を相手に課そうとします。それは正当な方法ですが、相手が自分と同じようなタイプでなければ通じません。また、そうであってもなかなか自立して進むところには至りません。 なぜな…
本人が、「自分の力で片付けた」と思うからこそ、自信になり実力になるからです。 つまり、無意識に、道に落ちているゴミを黙って片付けている人のようなことです。 私もそういう人をめざしたいと思っていました。 頭を抱えていらっしゃって、話しているうち…
しつけや教育などと同じで、こういうことを「教えてもらった」とか、「感謝します」などといわれるところで、それは、本当は大して優れているものではないわけです。 本物の力というのは、知らないうちに、自分の力で問題を片付けられるようにしているわけで…
結果を求められることに対しては集中し真剣にやるのは大切です。しかし、その分どこかで脱力しリラックスしておかないと、長期的には耐えられないわけです。 ですから、必要なとき以外は、脱力です。 ゆらゆら、フラフラ、くにゃくにゃ、ぐらんぐらんしてい…
まじめで頑張り屋で怒りやすい人の場合、ある意味で完璧主義でしょう。いい加減なことが嫌いで正義感が強いような人の場合、余裕や遊びの部分がなくなって、常に全力投球の状態です。 ストイックなのはよいのですが、どこかでそれを切り替えなければ休まらな…
手で叩くところを強拍とすると、いろんなリズムを体感することができます。 たとえば、4の裏を打つとタンゴになります。 複合リズムというのは、4拍子を2フレーズ、そのなかで一定のリズムが動きます。するとサンバやルンバなど、より複雑なリズムができるわ…
足を動かすのを3つにすると三連のリズムとなります。 3拍子は、先に前に出す足を右足にして「いち」、左足は同じところでステップだけして「に」、右足を戻して「さん」、それを繰り返していくと、1、2、3の3拍子になります。 前に出す足は交互に変えてもよ…
次に8つ、打ってみてください。つまり、足の移動中に1つずつ入れていくわけです。こうするとエイトビートとなります。「表、裏、表、裏、表、裏、表、裏」と8つカウントします。つまり、表拍と裏拍です。 次にそれを裏拍だけで打ってみてください。難易度が…
リズムをとるのに、右足を前に出し、左足を前に出し、右足を後ろに下げ、左足を後ろに下げる、これが最も単純な4拍子になります。音楽を聞きながら腰にリズムを感じ、「1234」で繰り返してみましょう。この移動のときに、手を打ってみてください。ちょうど4…
できる範囲で構わないので、ピアノでもギターでも、楽器を使って、メロディラインを弾いてみましょう。次にコード進行をみるとよいでしょう。ベースだけを聞いてみるのもよい勉強です。
たとえば、楽器のプレイヤーなどが歌うと、声量とか歌唱のテクニカルな面では劣っているかもしれませんが、とても音楽的に聞こえることが多いです。マイクなどを使って歌ったときには、心地よく聞こえます。そこをヴォーカリストも見習ってみることです。
日本の歌い手の場合は、お客さんの聞き方もあって、歌詞に囚われすぎるがために、音楽的な構成や展開のよさを活かし切れていないことが多いです。だからこそ、音楽的な流れをよく聞くように心がけることです。
歌を抜いて、曲を聞くと、コードの進行などを知識として理解していなくても、どこでフレーズが繰り返されるなどといった音楽の構成、展開がつかめます。 また、その曲のピークや、部分ごとの役割で、どういうところが優れていて、どのように盛り上げるか、落…
私は、歌う前に曲をじっくり聞きこむことをお勧めしています。見本は一流歌手でよいのですが、一人から全てをまねてしまってよくないこともあるので、何人かの歌い手で聞くことをお勧めしています。メロディだけを聞くのもよいでしょう。
お笑い芸人では、陣内智則さんやマツモトクラブさんあたりから、録音した音源を芸に使い始めました。顔や身体、その表情や動きの方に捉われるのは、人が視覚を優位にしているため、仕方のないことです。